てんかんは胎児へ遺伝するのか

人間の脳

てんかんであることが恋愛や結婚その延長にある、妊娠や出産の差しさわりになるのではないかと不安を持っている人もいます。
恋愛はともかく結婚出産となると、家族や親族にあれこれ口を挟まれるということもあります。
不安を解消するためには、正確な知識が必要になってきます。

好きな人ができたけれど自分がてんかんであることに不安を感じている場合でも、好きになった相手がてんかんだとわかって不安を感じているという場合でも、何が不安なのかはいくつかのポイントに分けて考えることができます。
まずは発作が良好にコントロールできていない場合、発作そのものへの対応に不安を感じていることが多くなっています。
これを解決するためには、発作の抑制が図れるよう最善の治療法を医師に求めていくことが先決になります。
発作は抑制されていても結婚を考える場合に、問題になりやすいのが出産への影響です。

本来結婚するかどうかは当事者である2人が合意すればよいことで、この病気の有無とは関係がありません。
けれど子供もこの病気になりやすいのではないか、治療薬の使用が胎児に悪影響を及ぼすのではないかなどと周囲が心配して、結婚を強く反対する例もないわけではありません。
女性の患者さんの場合妊娠、出産によって自分の病気が悪化するのではないかという、不安を持っている人もいます。

生まれてくる子供がてんかんになりやすいかどうかですが、どんな病気でもある程度血縁者内で遺伝する傾向はあります。
しかしこの場合遺伝性のあるてんかんはむしろまれで、実際にはてんかんのある人のほとんどは親族にこの病気の人はいません。
てんかんは原因がいろいろで一概には言えませんが、親子でてんかんを持つ人はむしろ少数で、一般にはてんかんのある人の子供がてんかんになる確率は10人に1人以下といわれています。
なた最近の研究では遺伝子の関連が推定されている、良性の特発性てんかんでもその人の子供がてんかんを持つ可能性は、10~20%とされています。

遺伝カウンセリングで不安を取り除くことが大事

自分がてんかんであること、家族がてんかんであることに対して大きな引け目を感じているといった患者さんが少なくはありません。
人前で発作を起こして以来、周囲の過剰なまでのいたわりに、患者が疎外感を覚えていることもあります。
誤解だらけの噂話に、ほとほと参っているという人もいます。

しかし誤解だらけの周囲の反応は無知から生まれてくるものです。
逆に言えばてんかんとはこういう病気である、自分の病気はこういうものだと自分が理解して周囲に伝えていくことで、誤解が解けることも多くなっています。

結婚、出産を通しての胎児や子供に対しての影響はほとんどありません。
周囲が気にかけるため自分も心配になってくるというのが、現状です。
そんな時には遺伝カウンセリングを行ってもらうことで、これらの心配を解決することが可能です。
てんかんを専門に扱っている医師が行っている遺伝カウンセリングもあり、誤解をしている周囲の人たちと一緒に相談に行くことで出産、遺伝の心配もなくなってくるはずです。

てんかんと聞いてどんな病気かよく知らないという人が多い一方で、非常にマイナスのイメージを持っている人も、世の中には少なくはありません。
発作症状を気味悪がる人、一生治らない、遺伝する病気、患者はみんな知的な障害を持っているなどと思い込んでいる人もいます。
正しい知識の普及は誤解や偏見を解くために必要なことではありますが、てんかんと上手に付き合っている人ほどあえて、自分がてんかんであると公表することは少なくなかなか正確には伝わらないという、もどかしさがあります。
てんかんについてよく知るカウンセラーに相談して、周囲の偏見や誤解を解いていくことも重要なことになってきます。